カテゴリ:本ヨムヨム。( 6 )

原田マハ『リーチ先生』

もとキュレーターの原田マハさんによる美術実在人物創作シリーズ第3弾はバーナード・リーチです。
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とうとう陶芸まで来ましたか!とニヤニヤしながら手に取り、読み始めました。
冒頭、リーチが濱田庄司、河井寛次郎とともに小鹿田の地に降り立ったところから始まり、不思議な縁から過去へと時間軸が移行していきます。リーチが日本でやきものを始めた頃。リーチの人柄がこの通りだったのかはともかく(なんというかキャラクター描写がだいぶ気さくにチャーミングに描かれていてちょっと気の効いたことを言う時には常にウィンクしながら会話する、そんな人物像が脳裏に浮かんでくるのです。)、彼のたどった足取りや日本との縁についてとても興味深く読むことができました。親近感もわくというものです。そして親近感がわくとぐっと興味が近くなるというもの。実際、彼がたびたび訪れた益子や住んでいた上野、安孫子は茨城からも近い。栃木や東京や千葉、日本という土地についても改めて考えさせられます。
そのほか、なんとなくしか知らなかった白樺派についても、きちんと勉強したくなりました。あのそうそうたる顔ぶれはエコール・ド・パリのような華やかさ(渋いけど)!世界大戦前のあの時代って文化土壌が豊かでやはりきっととてもエキサイティングだったんだろうなぁ。
それにしても、そんな偉大ではあるけれど日本に実在していた人たちがセリフを言っているのを読んだりするのはなかなか不思議なことですね。ルソーの時もピカソの時も普通に読んでいたのに、濱田庄司や富本憲吉が物語物語したセリフをしゃべっているのを思い浮かべるのはなんだかとっても不思議な感覚でした。

作中でも触れられているバーナード・リーチのスケッチですが、彼の描く絵は本当に生き生きとした伸びやかな感じがあって本当に素敵ですよね。
当店には濱田晋作さん識の額がございます。ご覧になりたい方はお声がけくださいね^^

そしていつも大人気の『小鹿田焼展』の目処がついてきました。
もうすぐお知らせできることと思います。
あと少しだけお待ちくださいね^^

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by g_yoyo | 2016-12-11 11:00 | 本ヨムヨム。 | Comments(0)

やっぱりパンが好き。

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河出書房新社から出ている、おいしい文藝『こんがり、パン』という本を読みました。

本を開いてまず一つ目のお話で、津村記久子さんの文章に、

「パンにバターをつけて食べるだけで幸せー」などとわたしはよく言うが、「だけで」というほどバターは控えめな脂肪ではない。

とあって打ちのめされる。

だって私もよく言っているのですから、その言葉。

死ぬ前に食べるとしたらどんな食事がいい?とか、これから先、ずっと同じメニューしか食べられないとしたら何を選ぶ?とかいう話題になって私が真っ先に思い浮かべるのはバタつきのバゲットなのです。あああのふんわりと香る芳ばしいパンの香り、パリッとした皮と滋味のある白い柔肌。バタは少し酸味のあるのがいい。発酵バタ、それが爽やかに鼻から抜け、乳本来の甘さを感じさせるのです。

もうひとつ、ひどく共感してしまったのが平松洋子さんの文章です。

「耳は、いつだってうれしい。(省略)とりわけにんまりさせられるのはパンの耳である。」

パンの耳愛。

「(食パンを買うと)はじっこに四角い茶色の一片がついていることがある。二斤なら、両側に一片ずつ。耳がちゃんとついているだけでまっとうなパンを買った気になり、うれしくなるのだ。」「わたしの目あては一枚だけついているパンの耳だった。はじっこの茶色い耳を確認すると、しめしめと舌なめずりをした」


共感せずにいられない、このパンの耳愛!


パンの耳大好きなんです。あんなに美味しいところを切り落とすサンドイッチが信じられません。だから私の作るサンドイッチは絶対に耳残しです。あの茶色の愛しさと言ったらかわいい小動物の毛並みのようではないですか(食べますけど)。

他にも気になる作家さんのパンにまつわる話がちょこちょこと抜粋されています。抜粋なので、ものすごく尻切れトンボな感じがしたりするんだけど、それはそれで、「この話の掲載されている本を読んでみたいなぁ」と思わされてしまうので、なかなかやりおる1冊なのです。

さあ、曜燿にパンの似合ううつわはありますかね。
それはこちら。鈴木美汐さんの角皿、トーストにぴったりのサイズじゃありませんか。

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小さな丸パンならそのシンプルさに寄り添うシモヤユミコさんの器はいかがでしょう?

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スコーンという手もあり、その場合、ジャムやクロテッドクリームを載せるスペースも必要なので山田洋次さんの長方皿など望ましい。

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うーん、パンが食べたくなってきた!

ギャラリーロード沿いにある森の石窯パン屋さんに買い出しに行きたいな〜。

留守番してくれる人(社長)が来てくれるといいんですが…。


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by g_yoyo | 2016-08-04 11:00 | 本ヨムヨム。 | Comments(0)

ことばの食卓。

武田百合子さんの文章が好きです。
お調子者のような文章しか書けない私からしたら、流れる川のその底の、静かにたたずむ石のようなその風情は羨望の的なのです。
川は流れ、石はそれをじっと見ている。冷静に観察して、ときおりぎょっとするような「ほんとうのこと」をストレートにぶっこんでくる。
力強くてかっこいい言葉たち。
それでいてどこか夢のように場面が切り替わっていく。さばさばと、しかしお祭りの残像のような余韻たっぷりに。思い出とは余韻なのだ。
それにしても記憶力がいいかたです。会話、情景、そして細かく細かくありとあらゆる食べ物がじゃらじゃら出てくる。
この食べ物たちが似合ううつわはどれだろう、と曜燿を見まわしてしまいます。
想像の中で、それらを器に盛りつけていくわけです。

谷口左和子さんの小皿に薄く薄く切った枇杷、
シモヤユミコさんのマグカップに牛乳、
鈴木環さんのまめまめ小鉢にキャラメル…。

雛菓子、
白酒、
おでん、
シャーベット、
うなぎ、
シベリヤ、
蒲焼、
オムレツ、
焼きもろこし、
うどん、
おでん、
紅白蒲鉾…。
まるでマッチ売りの少女みたいに妄想のごちそうを並べてしまいます。

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写真はまめまめ小鉢とお客様にいただいて美味しかったキャラメル!

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by g_yoyo | 2016-07-09 11:00 | 本ヨムヨム。 | Comments(0)

柳宗悦『手仕事の日本』

というわけで、柳宗悦の『手仕事の日本』を読み終えました。

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柳宗悦が日本中の手仕事を紹介する1冊。
小間絵は芹沢銈介。見ていて楽しく、カッコイイです!

結構偏ったものの見方をする宗悦さん。
自身は裕福なのに「贅沢や遊びはとかく悪の原因になる」だとか、生活の大変さを知ってか知らずか半農半工こそがすばらしいだとか、お金持ちの勝手な言い分がかなり見受けられるのですが、民芸品というものに光をあてたということはやはり本当に大きなことだと思います。
実際知らなかった民藝の品々がたくさんあって、ネットで調べてはディスカバリージャパンしていました。

われらがホームについては「茨城県に来ますと、そう語るべきものを有ちませんが」などと前書きされてしまいましたが、「なんといっても純楮の和紙を生んだ国」と紹介され、笠間焼、馬具について語られ、織物の説明に於いては「商品化しすぎた、一列の品になりつつある」ものが多い中で「たった一ヵ所の例外」とされて「結城紬」の説明がありました。これには嬉しくなってしまいましたね。
わたくし去年くらいから浴衣が欲しいという気持ちがむくむくと育ってきておりまして、気になっていたのです、結城紬。結城紬ミュージアム 紬の館では浴衣を作れるのですよね~。ものすごく興味あります!

この本で紹介されている民藝のうち、絶えてしまったものもあるでしょう。けれど例えばこぎん刺しについて、「ほとんどもう絶えました」と書かれていたものが今現在では、『kogin.net』なんていう素敵にオシャレなサイトもあったりして、時代に即してきちんと受け継がれてきているのを見るのはとても嬉しいものです。なくしたくない物を、大切にサポートして行きたいなと改めて考えた1冊でした。宗悦さんのそういった気持ちがどこからやってきたのかは、11頁から14頁までのたった2枚にぎゅっと凝縮されています。

「そもそも手が機械と異なる点は、それがいつも直接に心と繋がれていることであります。機械には心がありません。これが手仕事に不思議な働きを起こさせる所以だと思います。手はただ動くのではなく、いつも奥に心が控えていて、これがものを作らせたり、働きに悦びを与えたり、また道徳を守らせたりするのであります。そうしてそれこそは品物に美しい性質を与える原因であると思われます。それゆえ手仕事は一面に心の仕事だと申してもよいでありましょう。(略)一国にとってなぜ手による仕事が大切な意味を持ち来すかの理由を、誰もよく顧みねばなりません」

機械が悪いとは思いませんが、手仕事も大切に守られるべきものと思います。

さてこちら、民藝カタログとしてはもちろん、旅のお伴にもなりそうです。
弘前城址についての描写は実際に散歩しているみたいでわくわくしました。その頃とは勿論、色々と変わってしまっていることもあるでしょうが、かつての景色に想いを馳せるのもまたひとつの愉しみ。そして、見るべき民芸品の他、おすすめのおやつなんかについても所々語られていたりします。この本があれば買うべきお土産ものは逃さないはずです^^
巻末の地図と索引が便利です♪

それにしても、ほんと、日本全国各地に色々なものがあるものです。
そいでもって曜燿には日本各地の特産品などをプリントしたキッチンクロスございます。
現在販売中の絵柄は、新潟、東京、横浜、川崎、名古屋、大阪、福岡。

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色も柄もほんとにかわいいーーーっ!しかもリネンとかや生地なので、毛羽立たず優秀です!
ぜひお手に取ってご覧ください^^

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by g_yoyo | 2016-06-20 11:00 | 本ヨムヨム。 | Comments(0)

バーナードリーチ『日本絵日記』

バーナード・リーチの『日本絵日記』を読んでみました。

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ところどころに描かれたスケッチが素敵で、あちこちで「先生、ちょっとひとつ絵を描いてくださいよ」などとねだられているのを観るとちょっと山下の清の大将を思い出したりして。
でもこれを読むと正直傲慢さも感じてしまう。
いい人だとは思うけれども、勝手な理想の押し付けがあって(民藝運動とはそもそもそういうもの)、自由な大将とは全然違う人だ。
それでも社会に対して何らかの影響をと考え、動く人には必要な資質なのかもしれないと思いました。
そしてやはり私だって思うのです。
多くの美しいものが消えていってしまうのは忍びないと。
それのみが正しく、美しく、真なのだとは思わないけれど、これほどの情熱を持って伝統や品物を愛することはなんだか人間やその社会にとってやはり大切なことだと思うのです。

さてさてこちらの本に、載っていた1枚の挿絵、『朝鮮のせんたく女』(『日本絵日記』なのに)ですが、

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こちらの額、曜燿にございます。
ご覧になりたい方はお気軽にお声がけくださいね^^

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by g_yoyo | 2016-06-12 11:00 | 本ヨムヨム。 | Comments(0)

かさまのうつわ

ひまつり会場で、最新の素敵な笠間本をゲットしました。

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『かさまのうつわ』という本です。
IBS茨城放送フリーアナウンサーしばたあきこさんの文章によって、笠間の陶芸作家さんと県内の素敵なカフェ、レストラン、ショップ等とのコラボレーションが伝えられます。

額賀章夫さん + cafe WASUGAZEN
CRAFT BORO × BORO + cafe R hana...
阿部慎太朗さん + オカエリ。喫茶室
小島佳代さん + 植物工房 四季館
稲吉善光さん + 三春
佐藤りじゅうさん + Ravi provencau
會澤さとみさん + きのみの
シモヤユミコさん + trattoria blackbird
酒井敦志之さん + 魚福
庄司健さん + おかってカフェ
数納賢一さん + CloudNine
穂高隆児さん + うつわや 季器楽座
鈴木美汐さん + ちどり
松本良太さん + kikusa
長嶺憲幸さん + Le poelon
馬目隆広さん + to_dining & dialy goodthings
戸田浩二さん + たち公子さん
沼野秀章さん + Irish Pub KELLS
堤綾子さん

以上、それぞれの作家さん&作品やお店の魅力をじっくりと再発見できる本です。また、そのコラボレートが「うつわって、料理って、こんなに素敵な関係なんだ」とココロアガってしまうこと間違いなし。
その他、窯業指導所の研究員の久野さんや茨城県陶芸美術館館長金子さんへのインタビューなどもあり、陶芸好きには濃~く楽しめる素敵なまとまり。本当に読み応えありますよ。
笠間を愛する方、また、笠間に興味のある方、やきもの大好き!って方、おいしいカフェ・レストランが知りたい!って方、素敵なお店が知りたい!って方、皆様にとってのバイブルになる1冊です。
『ゆたり』という素敵なHP上の『本とゆたり』から購入可能のようです。
現物をご覧になりたい方は、茨城県陶芸美術館ミュージアムショップでも購入できるそうです。

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by g_yoyo | 2015-05-14 11:20 | 本ヨムヨム。 | Comments(0)


茨城県笠間にある陶芸ギャラリー曜燿のブログです。


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