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すいかの日。

今日はなぜだか『すいかの日』なんだそうです。

人生において、大事な転機となった出来事や人、本など色々ありますが、その中のひとつに『すいか』というドラマがあります。
始まりは夏。ひと夏を通して、とても煮詰まった主人公が自分の殻を破っていくお話です。
今年もまたDVDを観ています。
スイカバーを食べながら。
このドラマには食べたくなるなる!な食事風景が毎回出てきます。
第一話では3億円横領して逃げた元銀行員の馬場ちゃんの残していった大トロ。
第二話では響一くんのくれるケーキ。
第三話では教授のお友達のうちのお豆腐。
第四話では伝ちゃんが持ってきた桃。
第五話では絆さんの実家から失敬してきたメロン。
第六話では思い出のおのろけ豆と馬場ちゃんのくれた「すっごくうまい」お米で作ったおむすび。
第七話ではゆかちゃんの作る夏のごちそう新メニュー。
第八話ではもとこさんがお母さんと食べるちっとも楽しめない豪華な食事、でもそこでお互いを思い遣る食事。食べられなかったすき焼き。馬場ちゃんの食べるラーメン。
第九話ではみんなで食べる朝ごはん。エディプス期を終えたもとこさんの独立記念の紅白饅頭。
そして最終話ではご飯を食べ終わった後の、食器たち。そこに残る、色々な痕跡。

逃亡中の馬場ちゃんが、もとこさんの下宿先を訪ねてくる。
たまたま、留守番の人の他には誰もいないその下宿を見て回ると、台所にはみんなが朝ごはんを食べた後の食器が置かれていて、そこには梅干しの種が残ってる。
それを見た馬場ちゃんはもとこさんに再会したときにこんな風に話す。

「朝ご飯食べた後の食器にさ、梅干しの種が、こう、それぞれ残っててなんかそれが愛らしいっつうかつつましいっていうか。なんか、生活するってこういうことなんだなぁって思ったら、泣けてきた。」
もとこさんは「そんな…大げさだよ」って笑うけど、馬場ちゃんは、こう続ける。
「ぜぇんぜん、大げさじゃないよ。掃除機の音もすごい久しぶりだった。お茶椀とお皿が触れ合う音とか、庭に水撒いたり、台所に行って何かこしらえてそれをみんなで食べたりさ、なんか、そういうものみんな、あたしにはないんだよね。そんな大事なもの、たったの三億円で手放しちゃったんだよね」

もとこさんはそれを聞いて日常を選ぶ。

愛らしくつつましい生活、人生をいとしく思う、そのことをふと思いだすそんなドラマでした。
私もまた、満ち足りた気持ちで食器を使って、洗って、拭いて、しまう。そしてまた出す。毎日、毎日。

「また似たような1日が始まるんだね」
「似たような1日だけど、全然違う1日だよ」


さて、うつわたちを味方に、今日も1日がんばりますか^^

曜燿では、『夏の器展』開催中です。

by g_yoyo | 2016-07-27 12:00 | つれづれ。

茨城県笠間にある陶芸ギャラリー曜燿のブログです。


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