『アンソロジー そば』 PARCO出版

そばちょこ展をやっているので、笠間図書館でそば関連の本を借りてみました。

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PARCO出版から出ている『アンソロジー そば』はそのタイトル通り、作家・文筆家を中心に様々な人たちがそばについて語ったアンソロジーです。
群ようこ、松浦弥太郎、タモリ、獅子文六、中島らも、黒柳徹子、色川武夫など、総勢38人による超短編エッセイ。かなり興味深い面々で、好きな作家もちらほら。

暫く離れていた島田雅彦氏や町田康氏の文章を久々に読んでまた何か読んでみようと懐かしく思ったり、吉行淳之介氏の文章には男の色気を感じたりと、1冊で色んな感触を与えてくれるオイシイ1冊です。
例えば、東海林さだお氏の『いたちそば』が面白く、恥ずかしながら彼の本を読んだことのなかった私には嬉しい出会いでした。
川上弘美さんの文章は短いからかそのひゃっとした鋭さがずばっとココロに突き刺さってきました。うん、不順で鈍感な大人、バンザイ。
それから、みなみらんぼう氏の話では、ソバについての色々な知識を得ることができました。江戸に3,763件も蕎麦屋があったなんてびっくりです。蕎麦の生産地も、実はロシアが世界一だとか…そうそう、外国のお蕎麦といえば、そば粉のガレットを称賛する声がいくつかあり、それもまた、美味しそうです。
美味しそう、ってモチロン、蕎麦の描写はそりゃあもう本当に美味しそうで、ところどころに挟まる蕎麦の写真も本当にそそって、おなかすいちゃって仕方がありませんでした。平松洋子さんの文章なんて特にそそったなぁ。

最後に、みなみらんぼう氏の文章から一部抜粋を。

『こんなふうに楽しみながら、粉を練る。思いがけないほどタフで、けっこう力がいる。焼物の土をこねたときも腰が痛くなった。それとそっくりだ。
ただし、ソバの方はかすかな香りが漂う。それが凛とした秋の日の風情によく合う。うまいソバのできそうな予感がする。』

……ああ、なんてしあわせな描写!

やきものと蕎麦との素敵な関係は、その始まりの時から約束されているのです。

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by g_yoyo | 2015-09-03 11:00 | つれづれ。 | Comments(0)

茨城県笠間にある陶芸ギャラリー曜燿のブログです。


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